予選初日
前日今回ご一緒させていただくゴルフダイジェストオンラインジャーナリストの今岡さんに「明日から大変ですよ!」と爽やかな笑顔で何度も言われ。。。どんなに大変なのかを知る由もなかった。。。
早朝から午後最終組まで11人の日本人選手がそれぞれにスタートし予選を戦うわけだが。総勢156名の中で60名くらいまでに絞られる厳しい戦いの初日。
この予選を通らなければ賞金は出ないわけで。。。プロとしてどうしても通らなければならない2日間になるわけです。カメラマンとしてはこの舞台に立てるだけでも凄いことなのに表舞台を戦うゴルファーはもっと厳しいのだ。
初夏のサンフランシスコはこの通り。気温は13度。風もありまさに真冬のような気温と霧に包まれて寒い!!!まずはこの気候と難しいコースとの戦いになるであろう予選初日。コースはフェアウェイが狭い上に傾斜があり真ん中に落とすと転がってボールが埋まって見えなくなるほどの深いラフに入ってしまう。
この濃い霧の中なので若干スタートが遅れると見込んだものの、予定通りにスタートすることに。こちらの女性がスタート時に必ず各選手を読み上げる恒例の景色。観客ありの大会になったため読み上げるたびにお客様からの拍手と応援がコースに響く。
コース上ではマスクをしているものとそうでない観客が半々。コロナワクチンの摂取率が高いことを物語っている。お客様たちも防寒ばっちりで観戦している。
子供たちもスター選手を目の当たりにして応援している姿をよく見かけた。
この中から将来この舞台で戦う選手も生まれることであろう。
霧の中着々とプレーは進行していく。
この日の注目は畑岡奈紗選手と昨年最終日までトップを争った渋野日向子選手の組み合わせ。日本人トップ選手が同組で回ることは撮影する私にとって願ってもないチャンス。ただこの組みは午後スタートなので午前半分以上の日本人選手が回る午前にどれだけ撮影できるか。。。
これまでにない初めての経験なのでとりあえずスタートを抑えようとポジションどりするが、少し経ってからこれではバリエーションが全くないと。。。ふつふつともっと撮りたい意欲が湧いてその場を動く。
スケジュール表とコース図を睨みながら一番回りやすいところを考えてコース中を歩き回る。一通り撮れたと実感した時にはもう午後組がスタートする時間に。。。完全にお昼を食べる時間を外してしまったのです。
もつか、もたないか。。。考えるまもなく、とにかく行くしかないです。
畑岡奈紗、渋野日向子組のスタート地点まで戻りここからじっくり追いかけて撮影することにするのだが。。。如何せん午前中にほとんど力を使い果たしてしまいついていくのがやっと。周りのカメラマンやジャーナリストたちにも「大丈夫?」と気を使わせてしまうほど。。。
明らかに自分の読みのミス、体力不足、経験の浅さが露呈してしまう。
ただただひたすらに考えられること、思いつくこと、気づいたことをシャッター切りながら選手の1打1打を撮影する。
時折選手たちの可愛いアイテムを見つけ、癒されながらとにかく必死に食らいつく。足はもうとっくに棒のようになってしまい、顔もとにかく余裕がない。深いラフをホールからホールへ移動しながらとにかく選手たちの表情を追いかけた。撮りまくった。
観客も世界各国からの応援もあって、このようにバナーを作っているファンも!こちらは韓国の選手インジーチャン選手の応援。この時笹生優花選手と同じ組!
午後組スタートから少しするとキリが晴れて青空も見えるように。と同時に気温も20度近くまで上がる。
徐々に上着を脱ぎ、うっすら汗をかきながら、選手たちを追いかける。
このように晴れて青空が、木々の影が気持ちを高揚させてくれた。午後ここからもう少し頑張れる!そんな気にもなれた。
厳しい戦いを目の当たりにしながらこの日はオンラインで見れる選手たちのスコアをみる余裕も無く、ただただ追いかけた。
終盤になるとこのように西陽も強くなり柔らかい光が選手やコースを明るく照らしてくれた。
18番ホールに向かえば観客たちが上がってきた選手たちを拍手で迎える。
観客席は設けられなかったため、皆それぞれに芝生に座っているものもいれば立ち見をしている観客も。
上がってみればスコアボードに選手たちの名前やスコアがランダムに掲載されていた。この時なぜかトップではない笹生選手の名前がトップに位置されていた。
これがこの時最終日、本当にこの選手たちがトップを争うことを予想したかのような名前。トップに笹生選手、2番目にレキシートンプソン選手の名前が。最終日この2人が回ることになるとはこの時誰も予想はしていなかった。
この日は彗星の如く現れた17歳高校生ゴルファーのメーガガネ選手が初日から今大会を賑わせることに!
予選初日。。。
身体中が壊れそうに痛い。。。
足も、腰も、背中も、腕も全部痛い。。。
上がってきた選手たちのインタビューを一通り撮影して足速にメディア用の食堂へ
この日全然飲んでいなかった水を飲み、そして頭の回転をよくするためにとにかく胃に何か入れなければと。
しっかり食べてメディアルームへ戻り画像を一気に日本の編集部へ送る作業を開始するが、満腹になった上に部屋の暖房が気持ち良すぎて半分寝てる状況で作業を。。。
画像枚数を見るとこの日だけでも4000枚をゆうに超える撮影枚数。。。驚!!!
コンピューターに入れるだけでも時間がかかってしまい、まだかまだかと催促される。。。焦る、眠い、身体中が痛い中、とにかく写真を選定して日本へ送る。
速報が命の今回の撮影で時間がかかってしまったことはかなりのマイナス。。。
明日からなんとかしなければと対策を考慮してカメラの設定の変更、カメラからすぐに画像を送信できるように設定を全て直して備えることに。
メディアセンターを出れたのは夜の10時。周りを見渡すと私とジャーナリストの今岡さんしかいない。
2人で片付けし、遠く離れた車まで再び風と霧に包まれた寒いパーキングをひたすら歩く。
ホテルに戻り最後の力を振り絞ってもう一度画像の選定から送信作業をし、翌日の準備を整えて気がつけばもう夜中の1時半。
明日も朝4時半おき。
少しでも寝ようと床に就いたのは2時を回っていたのだ。。。
明日もこのペースが午前と午後逆になるパターンが始まる。
やるしかない。
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